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住宅ローンやフラット35の特徴は?メリットデメリットを初心者向けに解説

住宅ローン

住宅の購入を考え始めたとき、よく耳にする「フラット35」。しかし、実際にはどんな仕組みで、どんな人に向いているのか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、フラット35の特徴やメリット・デメリットを、初めて住宅ローンを検討する方にも分かりやすくご紹介します。仕組みから注意点、選び方のポイントまで解説しますので、ご自身に合った住宅ローン選びの参考にしてください。

フラット35とは何か

フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して提供する、全期間にわたり金利が固定されている住宅ローンです。借り入れ時点で返済額が確定するため、返済計画を立てやすく、変動金利のように金利上昇に左右されるリスクを避けることができます。これは、長期の返済を安定して見据えたい方にとって大きな安心材料となります。住宅金融支援機構が債権を買い取り、資金調達を行う仕組みにより、こうした仕組みが支えられています。

借り入れ期間は原則として15年以上、最長は35年です。ただし、申し込み時点の年齢や連帯債務者の年齢によっては「80歳-年齢」という計算により短く設定される場合もあります。また、親子リレー返済制度を利用すると、70歳以上の方でも申し込みが可能になるケースがあります。

さらに、審査の柔軟性にも配慮されており、たとえば勤続年数が短い方、契約形態が多様な方、あるいは団体信用生命保険に加入できない方でも申込可能な場合があります。ただし、利用にあたっては技術基準を満たす住宅である必要があります。その基準には、床面積や耐震性、省エネルギー性能などが含まれ、適合証明書の取得が必要です。

以下に、フラット35の概要を表形式でもまとめます。

項目内容
金利タイプ全期間固定金利(返済額が変わらない)
融資期間原則15年以上、最長35年(年齢により短縮あり)/親子リレー返済で柔軟に対応
提供の仕組み住宅金融支援機構と民間金融機関の提携による支援


フラット35のメリット

フラット35には、住宅ローンを検討中の方にとって魅力的な特徴がいくつもあります。まず、借入時に決定した金利が返済期間中ずっと変わらず、総返済額が安定します。そのため、返済計画が立てやすく、金利上昇の不安を感じずに長期間安心して返済できます。

さらに、保証人や保証料が不要である点も大きな魅力です。一般的な銀行の住宅ローンでは保証料や連帯保証人が必要になることが多いですが、フラット35はこれらの負担がなく申込みしやすいです。団体信用生命保険についても、加入は任意となっており、健康上の理由で団信加入が難しい方でも利用しやすい設計となっています。

また、繰り上げ返済手数料がかからない点も評価されるメリットです。返済を前倒しにしたい場合でも手数料が無料で利用でき、返済額軽減や期間短縮を柔軟に行えます。さらに、一定の住宅性能を備えた物件(省エネ性・耐震性など)を取得する場合には、フラット35Sなどの制度により当初の金利が引き下げられる優遇措置もあります(例:金利が短期間▲0.25~0.75%引き下げ)。

メリット内容
全期間固定金利返済額が変わらず、長期的に安心
保証人・保証料不要、団信任意申込みの負担が軽く、健康上の不安にも対応可
繰上返済手数料無料・金利優遇制度返済の柔軟性あり、高性能物件なら金利引下げも

フラット35のデメリット

フラット35を利用する際には、初心者の方が特に注意したい点がいくつかあります。

まず第一に、変動金利と比較して金利が高めに設定されている点です。たとえば、2025年7月時点の楽天銀行による試算では、35年ローンで約300万円もの総返済額の差が生じています。このため、金利重視の方には負担が大きくなる可能性があります。

次に、頭金が少ない、つまり融資率が9割を超える場合は金利が高くなる点にも注意が必要です。融資率9割以下と9割超では金利に0.1〜0.3%ほどの差があり、たとえば頭金なしの場合と10%以上用意した場合で月々の返済額に1万円以上、総返済額に数百万円の差が出ることもあります。

さらに、適合証明書の取得など、「物件」に対する審査や関連費用がある点も見逃せません。フラット35では住宅性能基準を満たした物件でなければ融資が受けられず、適合証明書の発行には数万円程度(ケースによっては10万〜20万円前後)の費用がかかります。

以下に、上記のポイントを整理した表をご覧ください。

注意点 内容
金利の高さ 変動金利よりも金利が高く、総返済額が大きくなる可能性がある
融資率の違いによる金利差 融資率が9割超だと金利が高くなるため、頭金を用意することが重要
物件審査・適合証明書費用 住宅性能基準を満たす必要があり、証明書取得には数万円〜の費用がかかる

これらの点に留意して、頭金の準備や物件選び、返済計画の立て方をしっかり行うことが、安心してフラット35を利用するための鍵となります。


初心者がフラット35を検討する際のポイント

住宅ローン選びがはじめての方は、全期間固定金利である安心感と、ご自身の家計状況とのバランスをしっかり見極めることが大切です。返済計画を前もって立てられる点は魅力ですが、変動金利に比べて金利水準が高めであることへの理解も必要です。長期固定の安心と金利負担をどう評価するかが、検討の出発点になります。

次に大切なのは、融資率(自己資金の割合)や各種金利プランの比較です。「子育てプラス」や「フラット35S(Aプラン・ZEHなど)」といった金利引き下げ制度を活用すれば、当初一定期間の金利も抑えることが可能です。たとえば、子ども2人世帯では「子育てプラス」で最大年▲0.5%、ほかの制度と併用すれば最大▲1.0%の引き下げが当初5年間受けられます。

加えて、審査条件や必要書類の準備も前もって進めておくと安心です。年収や雇用形態、住宅性能基準(適合証明など)が審査のポイントになりますので、自営業や非正規雇用の方は特に年収に占める返済負担比率や書類の準備を意識しましょう。

さらに、以下のような表を参考として、比較検討しやすく整理しておくとよいでしょう:

比較項目チェックポイント備考
返済の安定性全期間固定金利で計画が立てやすい変動金利との違いを理解する
金利引き下げ制度子育てプラス、フラット35S 等の併用可否当初5~10年の金利負担軽減が狙える
審査準備年収証明、適合証明書、雇用形態などスムーズな申し込みのために先行準備を

以上のように、ご自身の返済見通し、利用可能な金利制度、審査条件の準備を整理しながら検討すれば、初心者の方でもフラット35を安心して選べるはずです。

まとめ

本記事では、住宅ローンを検討する際に注目される「フラット35」について、仕組みや特徴、そのメリット・デメリットまでを分かりやすくご紹介しました。固定金利による安心感や、柔軟な審査など多くの利点がある一方、頭金や金利面の注意点など、慎重な検討が必要な点も存在します。自身の将来設計や返済計画に合わせて、どの住宅ローンが適しているかじっくり考えることが大切です。丁寧に比較検討し、納得の住宅購入につなげていただければ幸いです。

パワー不動産では、住宅ローンのご相談も承ります。住宅購入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。


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